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少年時代とあと2,3曲はたぶんわかるっていう人に薦めたい井上陽水のアルバム

井上陽水が好きです。『夢の中へ』を子守唄に聴いて育った生粋の陽水っ子です。
陽水は世間でもかなり有名だとは思いますが、個々の曲は実はそんなに知られてないような気がしています。

どんな "アーティスト" のファンもそうだと思うんですけど、
みんなが知ってる有名なアレだけじゃ全然理解できないよ!!みたいなのあるじゃないですか。
『天体観測』だけで判断しないで!!みたいな。
それをやります。オススメを挙げます。

井上陽水とは

井上陽水さんは曲を作って歌ってる人です。デビューしたときはアンドレ・カンドレっていう名前だったらしいです。
福岡県出身で、石川セリさんと結婚してて、依布サラサさんっていう人はこどもです。

スタジオアルバムは20枚くらい出していて、たいてい傑作です。
ただアルバムがやや手に入りづらく、Amazonにはなんとか全種類揃ってるみたいですが、全種類揃ってるTSUTAYA店舗はあるのかなっていうレベルです。
あのジャニス様ですら抜け抜けです。*1
まあ陽水聴く層はベスト盤聴けば満足な人が多いんでしょうね。

最初の4枚のアルバムはポリドールから出していてそのあと自分たちで立ち上げたフォーライフっていう会社からアルバムを出しているので、ポリドールからはベスト盤が乱発されています。
が、ポリドールのベスト盤はほぼポリドール時代の曲しか入ってないのであまりおすすめできません。
この記事は個々のアルバムを薦めることを目的としているのですが、
そんなの関係ないしベスト盤で聴きたいよっていう人はGOLDEN BESTっていうのがポリドール時代とフォーライフ時代の両方の曲が入っててかなりゴールデンなのでオススメです。

GOLDEN BEST

GOLDEN BEST


陽水さんは自分で曲作って歌う以外にも人に結構曲を提供しています。もしかしたら、えっこれも陽水なの?っていう曲があるかもしれません。
『渚にまつわるエトセトラ』とか。

陽水さんは何時の時代もすばらしいのですが世の中では3回盛り上がったと言われています。
それが、

氷の世界』期 1974年頃 フォークシンガーやん!!って思われていた時期
『9.5カラット』期 1984年頃 中森明菜とかに曲を提供して大人気
『ハンサムボーイ』らへん 1990年頃 お元気ですか〜が流行る

です。このへんの時期の曲に有名な曲が多いと思います。

今回は初心者向けというコンセプトなので、この辺の世の中に響いた時期のアルバム2枚と私のお気に入りの1枚を紹介しますね。

氷の世界

氷の世界

氷の世界

氷の世界』はすごいです。日本で初めて100万枚売れたアルバムだそうです。
私はプログレッシャーなのでこれも言わなきゃいけないんですが、『氷の世界』はプログレです。
どういう経緯だったのかは知りませんが、このアルバムは半分くらいの曲がロンドンで録音されました。
そのときにプログレッシブ・ロックバンドQuatermassのメンバーが参加しているのです!!プログレだ!!
Quatermassはアルバム1枚で解散した一発屋バンドで、ハードロック寄りの結構イケイケなサウンドです。
関係ないですけど、てってってー♪ でおなじみディープ・パープルのイカしてて髪の毛フサフサなギタリストのリッチー・ブラックモアさんは、Quatermassの『Black Sheep of the Family』っていう曲をカバーしたくてバンドのみんなに提案したのが却下されたことでぷんぷんに怒ってバンドを脱退し、クオータマスのカバーのためにRainbowという新しいバンドを結成したとも言われています。Quatermass一発屋なのに影響力デカい!


Quatermass - Black Sheep of the Family - YouTube

氷の世界』の話に戻ります。タイトル曲はスティービーワンダーの『Superstition』という曲に影響を受けたらしいです。似てます。
ピアノとベース、あと女声っぽく聞こえるコーラスを担当しているのが確かクオータマスです。


氷の世界 / 井上陽水 - YouTube

アルバムの最初3曲はメドレーになっていて『サージェントペパーズ…』のようです。
忌野清志郎と共作した『帰れない二人』はマジ名曲です。


帰れない二人/井上陽水with忌野清志郎 - YouTube

陽水はアルバムを作るとき全体のバランスを考えてこういう曲が欲しいな〜みたいな気持ちで曲を作ったりしているらしいので、アルバムごとにちゃんとまとまりが感じられます。あとこれはビートルズの真似なのかもしれませんが、とくにこの時期はシングル曲をアルバムにいれないことがよくありました。例えば『夢の中へ』はアルバムには入っていません。
逆にこのアルバムからシングルカットされた曲だと『心もよう』が有名でしょうか。『心もよう』はちゃんとフォークしてます。
『小春おばさん』もプログレだし、『白い一日』も『桜三月散歩道』も、全部いいです。捨て曲なしってやつ??
でもちょっと前に出たCDからは『自己嫌悪』っていう曲がカットされていました。歌詞に"めくら"っていう言葉が入っているからなんですけど、一曲でもカットしたらバランスが崩れちゃうので入手するときは気をつけてください。
100万枚売れたからもしかしたらあなたの実家にあるかも知れませんね。


小春おばさん / 井上陽水 - YouTube

ハンサムボーイ

ハンサムボーイ

ハンサムボーイ

1990年のアルバムです。
タイトルとジャケットがヤバいです。空耳アワーの映像で陽水が出てくるときはいつも『ハンサムボーイ』のジャケットが使われています。
ピンク背景に陽水が満面の笑み!!ヤバい!!

曲もかなりハンサムボーイな感じになっています。みんなが知ってる『少年時代』も入ってるよ。
でも『少年時代』ってすごい曲ですよね。歌詞が全く支離滅裂で結局夏が過ぎたことくらいしかわからないですし。

まず1曲目の『Pi Po Pa』が良いです。陽水のウィスパーと矢野顕子さんのコーラスが良いです。
NTTのCMで使われていたらしいのですがCMソングっぽさが全然ないです。今とは違うんですね。


YouTubeにありませんでした。
曲名とミニマル感に引っ張られてピコピコした曲なのかと思っちゃうけど楽器は柔らか系がセレクトされていて
そこもステキ。細野晴臣さんが編曲しています。

4曲目の最後のニュースは筑紫哲也News23のために作った曲で、
畳み掛けるような歌詞がイカすとされています。私はあんまりすきじゃないかな。
最近よくライブでやっているみたいです。


井上陽水 最後のニュース~20年も前の曲? - YouTube

こんな感じでアルバムの11曲中7曲がタイアップという大人気なアルバムです。
ハンサムボーイ。

バレリーナ

バレリーナ

バレリーナ

時代は前後しますが1983年のアルバムです。上に挙げた2枚と違って全然売れなかったみたいです。
ただ、ジャケットからして売る気はなさそうです。
内容もこのジャケットみたいな感じです。

1983年といえばあのVan Halenが名盤『1984』を発表したりと、ザ・80年代っていうような年でした。知らないけど。
80年代といえばド派手!シンセ!!エレドラ!!!っていう感じでとにかくイケイケだったのですが、
陽水もまさにイケイケなアルバムを発表しました。それがこのバレリーナです。
イケイケすぎて売れなかったのですがAmazonのレビューみたら最高傑作だって言ってる人が何人かいたので間違いないです。
"全体にプログレシッブロックのアルバムのようなムードがあり、それが好きな人はよりはまりやすいでしょう" って言ってる人もいますね……
BANANAこと川島裕二さんという方がシンセで大活躍しています。

このアルバムも1曲目の『街の子のハーモニー』っていう曲が好きなんですけど動画がニコ動にすらありませんでした。
歌詞の、"来週中中には消えてるから" っていうところが好きです。
字数稼ぎだとしても他にあるでしょっていいたくなる感じ。不条理な盛り上がり方もいい。

5曲目の『この頃、妙だ』も派手で好きです。これも動画サイトにありませんでした。動画サイトにない曲って結構あるんですね……
別のアルバムに入ってる『My House』っていう曲と雰囲気が似てるのでそっちにします。
……って思ったらそっちもなかった。NHKの番組でやってたやつがチョーカッコよかったんですよ。

この頃、妙だ 井上陽水 歌詞情報 - goo 音楽
My House 井上陽水 歌詞情報 - goo 音楽

曲が気になる人はAmazonで視聴してください。もちろん買ってもいいです。
TSUTAYAにはたぶんないです。

とにかく、このアルバムは陽水のシュールな歌詞と世界観、さらに80年代っぽい派手さも堪能できる傑作です。
たぶんこの辺の時期がこういう大物がセールスとか関係なく好き勝手なアルバムを出せた
最後の時期なのかなって思います。

この『バレリーナ』はさっぱりでしたが、次に出したセルフカバーアルバムの『9.5カラット』は最初の方に書いたようにたくさん売れました。
なので当時の陽水さんの懐事情については心配無用です。


陽水さんのアルバムはこれ以外も名盤ばっかりです。
『招待状のないショー』もいいし、『九段』『カシス』らへんも好きです。
みなさんも気になったらぜひ聴いてみてください!!

*1:ジャニスさん!もどり道置いてください!